セントジョーンズワートとは。
セイヨウオトギリソウとも呼ばれるセントジョーンズワートは、ハーブの一種です。

聖ヨハネの日(St. John's Day)頃に黄色い花を咲かせ、こすると赤い液体が出てくるため、聖ヨハネの血液から、芽生えてきたとヨーロッパでは伝えられています。
医薬品として利用の歴史は古く、その効能は、古代ギリシャ時代にも記録されているほどです。
近年では、セントジョーンズワートのうつや不安障害に対する効果が注目され、ドイツなどのヨーロッパ諸国では、軽度のうつにたいして、セントジョーンズワートの抽出物の処方が一般的であり、抗うつ薬よりも広く使用されています。
アメリカでは、「サンシャインサプリメント」とよばれ、気分を高める効果が人気を呼び、常に売り上げ上位にランクインされています。
セントジョーンズワートの効能。
近年、注目されているセントジョーンズワートの効果の一部をご紹介します。
うつや不安障害の改善。
近年の研究では、うつや不安症状を引き起こすのは、中枢神経にある脳内物質が原因だといわれています。
セントジョーンズワートに含まれるヒペシリンは、抗うつ薬などと同様に、脳内物質を安定させることでそれらの症状を緩和するとされています。
ストレスの緩和。
脳内物質を安定させる効果は、ストレスの軽減にも役立ちます。セントジョーンズワートが医薬品ではないアメリカでは、サンシャインサプリメントといわれ非常に人気の高いサプリメントとなっています。
ダイエット効果。
人間は、満腹になると脳内物質のセロトニンという物質が満腹中枢を刺激して満腹感を得ます。セントジョーンズワートは、脳内物質を安定させることで、セロトニンの濃度を高めるので、ダイエット効果があるのではないかと期待されています。
■さらに詳しく知りたい場合は、セントジョーンズワートの効能をご確認下さい。
セントジョーンズワートとうつ。
代表的なセントジョーンズワートの効果である、うつへの効能について少し解説しておきます。
私たちの脳は、脳内物質(ドーパミン、セロトニンなど)を伝って情報を送っています。また、脳内物質は、私たちの感情にも大きく関係していることが近年の研究でわかってきています。
うつなどの症状を持っている人は、脳内物質が少なくなっています。セントジョーンズワートの働きで脳内物質を十分な量に 戻すことで、症状を改善すると考えられています。
■さらに詳しく知りたい場合は、うつ病の解説をご確認下さい。
セントジョーンズワートの相互作用。
すばらしい効果を持っているセントジョーンズワートですが、医薬品との相互作用には注意が必要です。
厚生労働省が発表している資料によると、現時点では、健康被害の報告はないとしながらも、セントジョーンズワートを含有した製品を摂取することにより、ワルファリンやテオファリンなど6種類の医薬品の効果が減少すると報告されています。
医薬品を服用している方は、必ず、お医者さんか、専門家に確認してから摂取するようにしてください。
■さらに詳しく知りたい場合は、医薬品との相互作用をご確認下さい。
セントジョーンズワートの副作用。
ヨーロッパでは医薬品として使用されているセントジョーンズワートですので、少なからずとも副作用があります。
過剰に摂取すると、睡眠障害、光過敏症、胃腸の不調、かゆみ、眠気、疲労感などが報告されています。
また、妊婦さんや授乳中の方は、摂取に注意が必要とされています。
■さらに詳しく知りたい場合は、副作用の解説をご確認下さい。
セントジョーンズワートの上手な摂取方法。
セントジョーンズワートの摂取量は、明確に決まっていませんが、一般的に、1日900mg程度とされています。
ただ、セントジョーンズワートの効果の大部分は、ヒペリシンとヒペルフォリンの働きであるため、闇雲に900mg摂取するのではなく、ヒペリシンとヒペルフォリンがきちんと含まれているものを摂取しましょう。
また、ハーブティーなどでの摂取を考えている場合は、湯に溶け出す成分が少ないので、多くの量を摂取しなければ効果を得ることは難しいので注意しましょう。
■もっと、具体的な説明はサプリメントの選び方を参考にして下さい。